あのアリババ集団も「財務内容に疑問」

中国政府は、企業の財務情報を国家機密に近いものととらえ、関係書類を国外に持ち出すことを禁じている。また中国企業の監査をした中国の監査法人(4大会計事務所の現地事務所を含む)がどのような監査を行ったのか米SECが調査することも拒み続けてきた。そのため、今やトヨタの3倍超の時価総額を持つにいたったアリババ集団でさえ、財務や経営状況の開示は、あいまいで、グループの構造は複雑なままである。カーソン・ブロックは「2014年にアリババが米国で上場する前から、同社の財務内容には重大な疑問があった。しかし、誰も気に留めなかった」と話す。

問題のある中国企業を一般の投資家が知るための最も有力な情報源は、カラ売り専業ファンドのリポートだ。先に述べたチャイナ・メディア・エクスプレスもマディ・ウォーターズが、ユニバーサル・トラベル・グループはブロンテ・キャピタル(豪)とグラウカス・リサーチ(米)が、それぞれ売り推奨をしていた。

証券市場では、証券会社(投資銀行)もアナリスト・レポートを発行しているが、対象企業から引受やM&Aを受託できる可能性もあるので、売り推奨レポートは書きづらい。しかし、カラ売り専業ファンドは、そうしたしがらみはなく、徹底した調査を行い、名誉棄損訴訟覚悟で緻密なレポートを書く。中国企業に関する過去のカラ売り成功率はざっと見て6~7割という感じなので、少なくとも無視はできない存在だ。(つづく)

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