強気に傾きつつある市場関係者

ワクチンが広がることによる安心感は、投資家にとって非常に大きな材料であろう。ワクチンが準備されることで、各国政府はロックダウンを解除し、経済活動を再開するだろう。

その結果、「経済が戻る」というイメージを市場が持つことができれば、株価は堅調さを鮮明にする可能性が高まる。株価は実際に景気がよくなる前に上げていく。株価には先行性があるといわれるが、最近の動きはそれをかなり先取りしているようにみえる。

市場関係者の予想もかなり強気に傾きつつあるようである。約170人のストラテジストを対象に11月12日から24日に実施されたロイター調査によると、世界の株式市場は緩やかながらも少なくとも6カ月間は上昇が継続する見通しである。

過剰流動性や新型コロナウイルスワクチンへの期待によって経済や企業収益が回復するとみられていることを反映している。

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すべてはワクチン次第…

世界中を席巻した新型コロナのパンデミックにより経済活動が停止したが、前例のない財政・金融刺激策が打ち出され、資金供給が増大している現状を受け、調査対象者の約75%は強気相場が少なくとも半年続くと回答している。また、強気相場が少なくとも1年間続くと予想した回答者は半数超に上ったという。

欧米では新型コロナ感染第2波が発生しているが、効果的な新型コロナワクチンの開発に期待が寄せられている。今回の調査では回答者の約80%が、自身の見通しは新型コロナワクチンの開発進展に基づいていると答えている。

政府によって課された厳格なロックダウン措置により、企業収益は大きく落ち込んだが、ワクチンによってある程度正常化すると期待されており、企業収益が1年以内に新型コロナ危機前の水準に回復すると予想した回答者は約3分の2に上っている。