2021年は「ワクチンの年」?

新型コロナウイルスワクチンへの期待を背景に、これまで売られていた銀行や旅行・娯楽関連、原油株が買われている。

BofAによると、直近2週間に世界の株式市場に714億ドルが流入し、過去最高を記録。特に米国や新興国市場への流入が目立ったという。ハイテク株から資金を引き揚げる動きもみられず、直近週に24億ドル流入した。

BofAはこうした動きから「バリュー株に回帰しつつも、ハイテク株は売らない姿勢が見て取れる」という。バリュー株は、ファイザーが開発中のワクチンが臨床試験で好結果が得られたと発表して以降、急騰している。

BofAは21年が「ワクチンの年」になると予想している。バリュー株が成長株を、高利回り債が投資適格債を、新興国株がS&P500を、小型株が大型株を、それぞれアウトパフォームする(上回る)との見方を示した。

「ワクチンが実際に出回る前」がピークか!?

今回のリスク選好の動きで、金(ゴールド)からは過去最大となる40億ドルが流出した。

金は今年、10年以来の好調なパフォーマンスを示している。BofAは顧客に対し、「ワクチン関連のニュースが出れば売り」を推奨している。

楽観的な見方は実際にワクチンが出回る前に頂点に達するため、クレジット市場や株式市場は今後数カ月以内にピークを付けるという。なかなか興味深い見方である。