【11】「トラブルをチャンスに活かせない」
“肝心なとき逃げる”営業マン
顧客を起点とした社内調整力が最も必要なのはトラブル発生時だろう。日本HPの赤岸氏によれば、「問題はフラッグ(旗)が立てられるかどうか」だという。
「“フラッグを立てる”とはコンピュータ用語で“伏線をはる”と似た意味合いです。仮にアウトソーシング先のスタッフがパソコンを外で紛失したとします。情報漏れ防止ロックがされていれば、問題が発生しない可能性もあります。そのまま事実を隠し通すか……。ただ、万一漏れたときのダメージと社会的インパクトは非常に大きい。
トラブル対処はスピードが命です。窓口の営業担当が、たとえ今は小さな芽でも今後起こりうる事態を予知してフラッグを立て、問題が顕在化する前に事実を告知し、対処法を伝えてくれれば、それだけで展開が違ってくる。いざ顕在化したときに、即座に全力で対策を講じることができます。
実際にトラブルが発生したとき、営業担当が臨戦態勢で夜も寝ずにかけずり回って対処してくれたときは感動しました。トラブル発生時こそ、互いの対応次第で信頼関係を醸成するチャンスにすることができるのです」
逆にトラブルを直視せず、責任を回避する人間は一生信頼を失うだろう。
1970年生まれ、93年同社入社。スーパーバイザー、店舗開発担当などを経て、現職。「お菓子という商品には娯楽がある。メーカーとコンビニの二人三脚で楽しさを提供したい」
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トステム住宅研究所 購買部 課長補佐●竹腰正人
1966年生まれ。ビル用サッシの設計、地場ビルダーへの営業などを経て現職。同社は「アイフルホーム」、「フィアスホーム」ブランドの住宅をFCシステムで提供する。
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パナソニック電工 照明事業本部 部長●大利富夫
1963年生まれ、87年入社。照明開発研究所などを経て現職。LED(発光ダイオード)の商品開発担当として、メーカーと交渉。「情報をいち早くキャッチすることが競争に勝つ条件だと思っています」
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日本ムーグ サプライヤー・デベロップメント マネージャー●小南 卓
1969年生まれ。大手重工業メーカーで、ディーゼルエンジンの営業、資材部門を経て、2008年入社。07年より購買マンの交流会である購買ネットワーク会の代表幹事。
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日本ヒューレット・パッカード アウトソーシング購買部 企画担当マネージャー●赤岸和郎
1975年生まれ、2001年入社。ITエンジニアとしてシステム構築、サプライヤーとの関係構築業務を経て現職。07年から購買ネットワーク会の代表幹事も務める。