教訓:「新参者」になることを受け入れよう
あの地下室のワークショップから、シンプルな教えが生まれました。完璧主義者の傾向が蘇り、私を止めようとしているのを感知した時はいつでもその教えを使います。これを書き留めてください。
ヒンジャクでヒサンなスタートは、ハマったままよりハルカにマシ。
あの最初のワークショップをやり遂げたことには、二つの重要な意味がありました。第一に、自分の完璧主義をコテンパンに叩きのめしたこと。一度できたのなら、もう一度できるはず。第二に、「いつの日か数千人の前で教える」という究極の夢に一歩近づいたこと。ヒサンな体験を受け入れる心のゆとりや寛容さを持つことが、何であれ少しでも上達するための唯一の道です。
どんなプロでもアマチュアから出発します。アーティストであれ、アスリートであれ、作家や科学者、建築家、起業家、プログラマー、ミュージシャン、陶芸家であれ、一流と呼ばれる人たちの中に、その道に入るなりトップに立った人は一人もいません。
何か新しいことを始めたり学んだりすることは、つまり新参者になる、ということです。部外者から始めて部内者にならなければなりません。その事実を尊重し、受け入れましょう。ヒサン上等! という意気込みを持ちましょう。
危険な「比較したくなる病」―自分を達人と比較しない
いいですか、完璧主義は毒ヘビです。その狙いはあなたの創造力の急所を突くことにあります。完璧主義による、最も狡猾で致命的な攻撃の例を紹介しましょう。それは、あなた自身を達人たちと比べさせることです。
「私は絶対に○○○ほどうまくならないから、わざわざやってみて何になる?」
そういう考えに陥ってはいけません。比較は創造力を吸い取るクリプトナイト(訳注:無敵のヒーロー、スーパーマンの力を吸い取る架空の物質)です。
あなたの創造物がどんな形を取るにせよ、おそらく、突然あなたの中からわき出るわけではないでしょう。「もし、この道に本当に長けていたら――あるいはこれが本当に自分の天職なら――、すべてが楽々と進むだろう」という、ロマンチックな考えに賛同してはいけません。
その考えが当てはまる稀な人たち(サイボーグか?)もいるでしょう。しかし、生身の人間であるほとんどの人たちにとって、優れた作品は毛穴からにじみ出るものではありません。血を流し、もがき、汗をかいて手に入れるものです。それは整然としたプロセスではなく、秘訣もありません。
何年も必死に努力してきた人を、努力し始めたばかりの自分の尺度とした瞬間、完璧主義者の死の落とし穴に陥ります。この状況に効く魔法のマントラがあります。次のフレーズを声に出して読みましょう。
今この瞬間から先は、あなたが目指すのは「完璧さよりも進歩」。