極東の緊張が一気に高まりうる
米英と中国の摩擦が一層激しくなれば、英国は最新鋭空母を派遣して極東の緊張が一気に最高潮に達する可能性もある。日本にも米英との合同軍事演習への参加が打診されるだろう。その時に日本政府はどう対応するつもりなのかを国民には早急に説明する責務がある。加えて、米国のジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は7月21日の時事通信によるインタビューで、11月の米大統領選でトランプ大統領が再選を果たした場合には、約5万人の在日米軍は「削減・撤収されるリスクは格段に上がる」と警告している。それが万が一、実現することになれば極東のバランスは変化することも忘れてはならない。
米司法長官は「(中国共産党は)数十年、数世紀の観点で考えているが、われわれは次の四半期の決算発表を重視する傾向がある」と分析しているが、日本が政争ばかりに明け暮れている間に中国は常に先を見た戦略を立てているのは間違いない。どこを向いて仕事をしているのかわからない政府高官が今やるべきは、コロナ対策を当たり前のようにやりつつも、たしかな国家戦略として10年、20年、100年先を考えた対中政策を練ることであるはずだ。事なかれ主義で「詰め将棋」を静観する国家に未来はない。