一心同体を強調した安倍首相の胸中

1人で勝手に転んでしまった岸田政調会長――。安倍首相にしてみたら、「自分は推せるところまで推したわけだし、麻生さん、仕方がないよね」ということのようだ。一方の麻生副総理は推薦した手前、これ以上強く推すことはしづらい。すると、岸田政調会長が自身の力量で失地を挽回できるか、お手並みを拝見ということになる。

「でも現状のままでは、ポスト安倍は難しくなった。そこで、安倍首相と菅義偉官房長官の関係修復が進んでいます。1度は関係がぎくしゃくしたものの、こういう状態になって、修復したほうがお互いにとって得との判断が働いたはずです。それを象徴するのが、20年6月11日の安倍首相の『菅官房長官とは一心同体で、心を1つにして対応してきた』という国会答弁でした」

大阪府知事 吉村洋文氏(時事通信フォト=写真)

そう語る長谷川氏だが、激化する米中摩擦、20年11月の米国大統領選挙の結果次第で変わる日米関係など不安定要素が山積していて、「任期を4年ではなく2年にしたうえで、安倍首相の4選という可能性もある」と指摘する。また、秋口の解散・総選挙も取り沙汰されてきた。ちなみにポスト安倍で名前がよく挙がる元幹事長の石破茂氏だが、党内での人望は薄いといわれる。

一方で長谷川氏が注目しているのが、コロナ対策で「大阪モデル」を20年5月5日に打ち出して脚光を浴びた大阪府の吉村洋文知事が属する「日本維新の会」の動きだ。「元熊本県副知事の小野泰輔氏を推薦した東京都知事選の結果も踏まえ、これを機に東京を含めた全国での支持が高まり、国政での力を増してくるかもしれません」という。

(撮影=宇佐美雅浩、村上庄吾、相澤 正 写真=時事通信フォト)
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