新型コロナウイルスによる経済活動自粛で、年率で20%超のマイナス幅が予想される2020年4~6月期の実質国内総生産。そこからの回復のシナリオを描く――。
世界的な流行と経済的影響
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月例経済報告で景気下げ止まり指摘

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、2020年1~3月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は前期比0.9%減、年率換算で3.4%減となった。

しかし、20年4月7日の7都府県を対象にした緊急事態宣言の発令、そして16日に行われた全都道府県への対象拡大によって、経済活動の自粛が一気に強化。各工場での生産活動がストップする一方、街中にある飲食店は一時休業するところが相次いだ。

輸出についても、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって、世界中の国々で同じような経済活動の自粛が行われ、大幅なダウンを余儀なくされてきた。そうしたなか「4~6月期の実質GDPのマイナス幅は年率で20%を超え、戦後最大に達する」という見方が広がっている。

その一方で、20年5月25日の緊急事態宣言全面解除を受けた経済活動の再開によって、徐々に明るい兆しも見え始めている。政府が20年6月19日まとめた6月の月例経済報告では、国内景気について「極めて厳しい状況にあるが、下げ止まりつつある」との見方が示された。果たして今後の日本の展開はどうなるのか。「経済」「株価」「経営」「政治」の4つの側面での検証を行っていく。