【経営】時代遅れの中小企業は淘汰される。今こそ経営改革を

これから新型コロナウイルスのマイナスの影響が徐々に浸透してくるなかで、企業の倒産件数が急増することが予想される。しかし、このことをピンチとして恐れおののいているだけでよいのか。それとも、日本企業の経営改革の好機と捉えるべきなのか。小西美術工藝社社長で、かつてゴールドマン・サックスの金融調査室長として日本経済や日本企業に関する鋭い分析を行っていたデービッド・アトキンソン氏は、後者の立場を取る。

小西美術工藝社社長 デービッド・アトキンソン氏
小西美術工藝社社長 デービッド・アトキンソン氏

アトキンソン氏の日本企業の経営に対する問題意識の根底にあるのは、極端なまでの生産性の低さである。GDPの規模は、米国、中国について世界第3位。しかし購買力平価で調整した国際比較による生産性を見ると、日本は世界第28位に急落してしまうのだ。そして、アトキンソン氏はその原因を次のように分析する。

「何が大きな影響を与えているかと言えば、企業数で99.7%を占める中小企業です。日本では何かと大企業が批判の矢面に立たされますが、数字を見る限り、日本の低生産性はむしろ中小企業の問題と言っていい。15年の付加価値と16年の従業員数から計算すると、大企業の生産性は海外の先進国と変わらない1人当たり826万円、それに対して日本の中小企業は海外を大きく下回る420万円。中小企業のほうが生産性は低く、その数が多くを占めていれば、当然、国全体の生産性も低くなります」

生産性と20人未満の企業に勤める人の割合