お金を増やす方法は「3つ」だけ

どうすれば資産を少しでも増やせるのでしょうか。いろいろな方法を語る人がいますが、実はいつの時代も次の3つしか方法はありません。

①働いて収入を増やす
②節約によって「支出」をコントロールする
③「資産運用」で増やす

このうち、これまでの時代に多くの人がやってきたのは2番目の「節約」です。

「働いて収入を増やす」といっても、日本社会ではずっと会社員の副業が禁止されていました。また、「運用で増やす」といっても、たとえば株式を買うにはそれなりの資金がないと始められませんでしたし、失敗すれば短期間のうちに大きな損失が出るため、「怖くて手を出せない」という人がほとんどでした。結果、多くの人が「節約」をするしかなかったのです。

しかし、これからの時代は、この3つの方法をバランスよく、すべて実行するべきです。

資産110万円が8年で1230万円に!

相談者に、家計の見直しを始めた段階で110万円だった資産が、①節約、②貯金生活、③投資生活を組み合わせることで、わずか8年で1230万円にまで増やした方がいました。

写真=iStock.com/fatido
※写真はイメージです

仮に田中さん一家とします。家族構成は4人。40代の会社員の夫と自営業を営む妻、小学5年生と3年生の女の子が2人です。

世帯収入は790万円(夫・年収730万円/妻・年収60万円)と比較的高めでしたが、若い頃、収入が不安定で家族に我慢をさせてきたという思いの強かった田中さん。家計に少し余裕ができたことで、家族が喜ぶと思えば高いものでも迷わず購入し、旅行にもお金を使うようになっていました。

そのため貯金はなかなか増えませんでしたが、田中さんは「ボーナスもあるし、なんとかなるだろう」と思っていました。

一方、妻は、夫から受け取る生活費の中でやりくりしていました。体に優しい食材にこだわって高級スーパーを利用するなど、いつも「ちょっと良いもの」を購入するため、毎月の生活費を使い切っていました。

「いまのままで本当に大丈夫かな?」との不安はありましたが、うるさく言って夫から生活費を減らされるのも嫌なので、知らぬふりをしてきました。