「不況型」は自力での対応が困難
改善が難しく、しかもこれから増えそうなのが「不況型」です。
今回、新型コロナウイルスが大流行した影響で、世界各国でロックダウン(都市封鎖)が相次ぎ、世界経済が一気に鈍化しました。リストラや倒産で仕事を失う人が大幅に増加するリスクが高まっています。
それなりの貯金があれば、経済の回復を待ちつつなんとかしのげるかもしれませんが、もともと非正規で働いていた場合などは、十分な蓄えがあることのほうがまれ。
家計が破綻するのは「収入が少ないから」がいちばんの理由であって、どれだけ家計改善にやる気になっても限界があります。そこが不況型の難しいところです。しかも、挽回が容易ではないところも不況型の困った点です。
手元に現金がないために、クレジットカードでの買い物が多くなったり、中には普段なら手を出さない消費者金融で生活費を借りたりする人が出てきます。目先の支払いは乗り切ることができても、やがて返済に追われて、最終的に“転落人生”を歩んでしまうこともないとはいえません。
不況型の貯められない家計が破綻すると、元の生活に戻すのは本当に大変です。そうならないために、働き方や収入について改善を考え、その中で生活ができる方法を見つけることが必要です。
「家計改善の基本」に立ち返ろう
だからといって、特別なことをしなければならないわけではありません。むしろ、将来が不安だからと、いきなりハイリスクな個別株への投資を始めたり、FX(外国為替証拠金取引)に手を出してしまうのはNG。
私はむしろ、いまは「特別なことは何もしない」ほうが大切だと考えています。難しいことは考えず、無理せずにできる「家計改善の基本」を愚直にやり続けるのがいちばんでしょう。
「家計改善の基本」とは何か。それは、毎月の収入の中できちんと支出を管理して、少しでもお金が残ったら、それをきちんと貯金する。そのために無駄遣いを極力抑えて、シンプルな暮らし方をする。これがすべての基本です。
「当たり前」だと思ったあなた。でも、残念なことにそれができていないから、いま貯金がないのです。まずは、この点を再認識することからスタートしましょう。