「おにぎり、ゆで卵、サラダ」を選んだワケ

そもそもなぜ「おにぎり、ゆで卵、サラダ」なのかと言えば、この組み合わせが面倒な諸条件をクリアすることを発見したからでした。

一般的なおにぎり(さけ)では糖質が約40グラム、たんぱく質が約5グラム、脂質が約2グラムと1個で糖質の大部分を占めてしまいます。バランスに配慮して、そこに蒸し鶏やツナがトッピングされて多少たんぱく質が含まれるサラダ(と糖質と脂質を抑えたドレッシング)、一定以上のたんぱく質が含まれるゆで卵(脂質に注意)を足して調整します。こうして、食事制限時のダイエット食としてちょうどいいこの3つを発見したのです。

パズルのようでおもしろいものの、げんなりしてしまうのが、なかなかこうしたうまい組み合わせがないため、同じものばかり食べるはめになること。そして、そもそも量がぜんぜん足りないということです。

ラーメンの誘惑が来たら成分表を見る

なにせ、ちょっと前までラーメンをおかずに白米を食べていた人間なので、いきなりの変化に精神面がついていきません。「腹八分目」がこんなにストレスフルだとは。食事制限開始から約4週間、「いよいよダイエットに本格的に向き合っている」という高揚感でなんとかごまかせていたのですが、日に日にしんどくなっていきます。

朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)

「もうラーメン食べちゃおうかな」と思って成分表を見ると、たとえばあるラーメンでは1人前の炭水化物が90グラム、たんぱく質が30グラム、脂質が25グラムの約700キロカロリー。「カロリーの王様じゃん……」と、思いとどまることができました。

今、振り返ると、僕はダイエットを急ぎすぎていた、と思います。食生活は徐々に変化させていけばいいのです。みなさんは「理想はこう」と認識しながら、できる範囲で取り入れてみてくださいね。

しかし、です。感覚としては、望ましいとされるゴールに到達するまでが、果てしなく遠い。4週間、わりとしんどい目に遭っても、(体重計の数字は変わっているものの)正直、体型はぜんぜん変わっていません。肥満のままです。

いつになったら、自分の理想に近づけるのだろうか――まだ、挫折こそしていませんが、ちょっとこのままだとまずいぞ、という感じがしてきました。(続く)

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