神経質の背景には不安があります

たとえば、小さい頃から自分を否定されながら育つと、「自分が悪いんだ、どこか間違っているんだ」と、自信を持てない状態になります。すると、書類を何度もチェックしないと不安になるなど、神経症的な症状が表れます。神経質の背景には不安がありますが、HSP気質の根底にあるのは不安ではなくDOES(図)です。繊細さんは、「今日は天気がよくて嬉しい」など、いいことにもたくさん気づくことができます。

繊細さんはおおざっぱな人と付き合うとストレスがたまるのでは、と聞かれることもありますが、そんなことはありません。繊細かどうかよりも、自分にとって安心できる相手かどうかのほうが大事です。繊細さんと非繊細さんのカップルも数多くいますし、おおざっぱでもおおらかな人は、繊細さんにとって安心できる相手だったりもします。

今、HSPがどれくらい社会に認知されているかのデータはありませんが、世の中に出てからまだ二十数年で、心理学的には歴史の浅い言葉です。日本で周知され始めたのは3年ほど前。ツイッターでHSP当事者が自分の感覚を漫画で描き、多くリツイートされたのがきっかけで広まりました。しかしながら、まだまだ当事者とその周辺までしか認知されていない状況かと思います。

HSPの人が苦しみから抜け出す第一歩は、「自分について知ること」です。それで元気になる人が1人でも増えるように、さらに認知が広まったらいいですね。

(構成=万亀すぱえ 写真=PIXTA)
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