幸せなことにもたくさん気づける人

では逆に、自分の周りに「この人、もしかしたら繊細さんかな?」という人がいたら、どうすればいいでしょうか。まずは、人それぞれ感覚が違うということを知っていただければと思います。相談されたときに「そのくらいのことで」と言わないでほしいのです。

たとえば、「オフィスで周りに人がいると仕事に集中しづらいので、集中したいときは会議室を使ってもいいですか」と部下に相談されたとします。そのとき、それくらい大したことないだろうという判断をしないこと。「君にとってはそうなんだね」と受け取って、「会議室が空いていればそこで作業してもいい」「次の席替えでは端の席にする」「週に何日かはリモートワークも選べる」など、具体的な解決策につなげるのがベターです。

繊細さんの悩みに対して「気にしすぎ」「そのくらいのことで」と返すのは、「寒い」と言っている人に対して「俺は寒くないから、君も寒くないだろ。気にしすぎだよ」と言うようなもので、なんの解決にもなりません。「僕はわからないけれど、君にとってはそうなのか。じゃあ、どうしたらいいんだろう」と耳を傾けてほしいのです。

もちろん繊細さんの側も、自分がどうしたいのか、あるいは、相手にどうしてほしいのかを具体的に伝える必要があります。HSPの社会的認知度はまだ低く、「私はHSPなので」と伝えることが、職場にどう受け取られるか正直まだわからない状況です。「HSPだから配慮してほしい」と言うよりも、「自分は人がいないほうが集中できて仕事の効率が上がるから、会議室が空いているときはそこで作業したい」と、「パフォーマンスを上げるために」という文脈で伝えるほうが、上司も動きやすいでしょう。

HSPは病気ではなく、「気質」です。身長のように、その人が持って生まれたものです。気質は性格ともまた違います。気質は持って生まれたもの、性格は家庭や学校など育った環境の影響を受けて形成されるもの、という違いがあります。

誤解されやすいのですが、HSP気質は「神経質」とは別物です。非繊細さんのなかにも繊細さんのなかにも神経質な人はいますが、神経質は持って生まれた気質ではなく、環境によって生じるものです。