コロナによる死者が少ないのに日本は悲観的

「いまだに感染収束が見えないCOVID‐19で劣勢なアメリカでのこのような観光再開の動きをフェイスブックに投稿すると、日本人の知人からは『正気の沙汰か?』とばかりのコメントをいただきます。マッキンゼーが調査した「新型コロナウイルス後の各国経済復興楽観度」チャートでは、右軸が今後の支出増減意向、縦軸が楽観度ですが、アメリカは左上で支出を減らすけど楽観的、中国は右上で楽観的でお金も使う、つまりイケイケ(笑)。

一方、日本はここにプロットされている30カ国中、楽観度は断トツの最低でアメリカや中国の1/10くらい。感染による死者がよっぽど少ないのになぜ日本はこれほどまでに悲観的過ぎるのだ? とアメリカでは思われており、そういった日本人の心理により観光復活へ向けた関係者の動きが遅れないかを心配しています」(同氏)

「18カ月先」と言っていると、世界の観光客争奪戦に遅れる

インバウンド情報サイト「訪日ラボ」を運営する株式会社movが5月中旬に実施した「緊急事態宣言解除と新型コロナ意識調査」によると、「外国人観光客(インバウンド)」の客足回復時期について、2021年7月の「オリンピック開催までには」(36.6%)と「それ以上後」(16.8%)と合わせて、回答者の半数以上が来年夏以降と考えている。

星野リゾートの星野佳路代表は、出演したオンライン討論番組で、地元周辺を商圏とした「マイクロ・ツーリズム」から段階的に取り組む観光復興プランを述べ、それに続く日本人旅行者の先にインバウンドが戻るのは18カ月後という観測に、他の出演者たちも同調した。訪日外国人客の戻りが期待できるのは来年以降と、日本の観光関係者の多くが長期戦を覚悟している。