比較調査で明らかになった“幸せな人”の特徴

「年収が3分の1になったら不幸になりますか?」という最初の問いに戻れば、3分の1になっても感謝の気持ちを持つことができる人は、幸せになれるでしょう。しかし、愚痴や文句ばかり言っている人は、不幸になると考えられます。

感謝をしていると物欲が低下し、幸福度が高まるという研究結果もあります。ポラックらによる2006年の研究です。「年収が3分の1になったけれど、住む家もあるし仕事もある。本当にありがたい。隣のおばあちゃんがトマトをくれた。感謝、感謝」。

そう思える人は、今の自分を肯定し、現状に満足している人です。金銭欲に振り回されることなく、幸せに生きることができます。また、年収が低くても、やりがいを持って生きている人は幸せです。

たとえばアーティストとか、フォトグラファーとか、ダンサーといった人たちの中には、食えなくても幸せそうな人が少なくありません。だいたいそういう人には、感謝する気持ちと夢があります。また、先ほども述べた強みがあります。

リスクはありますが、起業家の人も幸せそうに見えます。私の知る限り、お金持ちになりたいとか、社長になりたいとか、そういった動機で起業して成功した人はほとんどいません。世の中をよくしたいとか、人の幸せに貢献したいとか、あるいは好きで好きで仕方がないとか、そんな思いで始めたことが、たまたまビジネスになったという人が圧倒的に多いです。

そして、共通しているのは、なんらかの独自の道を歩んだからこそ身につけた強みと粘り強さを持っていて、魅力的です。

幸せを生む3要素……感謝、やりがい、利他の精神

私の友人に、ライフルという会社を経営する井上高志さんがいます。今や年商数百億円の企業になりましたが、最初の5年間は睡眠時間2時間で、カップラーメンばかり食べていたそうです。

彼をそこまで突き動かしたのは、不動産業界を変えたいという一心でした。これまでの不動産業界は、情報格差を利用して家を売っていた。つまり、お客さんは知らなくて、業者だけが知っている情報だらけだった。中には詐欺同然のやり方で売る業者もいた。井上さんは、こんな社会を正したいという一心で頑張ったそうです。

情報をインターネット上にすべて公開して、本当にお客さんのためになる仕事がしたい。そんな利他の精神で仕事をしていたから、つらい時期も頑張れたのです。ちなみに最近、井上さんは「世界平和を目指す」と言って、平和活動をおこなう財団を立ち上げました。利他の精神に貫かれた井上さんの生き方には、清々しさを感じます。