さすが週刊文春、アッパレだ!
さすが週刊文春である。権力とマスコミの癒着ここまで生々しく活写したスクープをぶっ放すとは。アッパレとしか言いようがない。私は全国紙の社会部で記者をしているが、もはや日本の権力のスクープのほとんどを週刊文春が報じている。週刊文春にはどんなメディアも太刀打ちできないだろう。
黒川氏と賭けマージャンに勤しんだ産経新聞、朝日新聞、そして大手メディアはこんな特ダネは書けないはずだ。なぜなら彼らは今後も権力者と賭けマージャンすることをやめないからだ。いくら新聞社が自らを「社会の公器だ」と高尚なことを語ったところで、必ず新聞社はまた権力者と賭けマージャンをする。
その理由を簡単に説明すると、そもそも新聞記者は権力者と賭けマージャンするように教えこまれているのである。まずは新人記者がどうやってジャーナリズムを捨てていくのかを教えよう。
新聞社に入社すると、たいていは地方支局に飛ばされる。そこで取材のイロハを仕込まれる。つまり権力との癒着の基本も叩きこまれる。
地方に飛ばされた温室育ちの新人記者たちは、たいていは警察担当を任される。その県で起こる事件を日々ロボットのように書き続ける。しかし事件や事故を単純に報じているだけでは、まだまだ半人前。新人記者にとって最初の難関を乗り越えなければならない。それは当局(警察など)から「ネタ」をとってくることだ。
新人記者の最初の関門、それが権力との癒着だ
新人記者が、“発生モノ”を書いているだけだと、そのうちデスク(30代後半~40代くらいの上司)からこう言われるだろう。「君は新人だからいいけど、東京にあがりたいのであれば、ネタをとってこないとダメだ」と。
昔は、どんなにダメな記者でもいつかは東京や大阪の本社にあがれていたようだが、最近は実力主義が強まり、地方でくすぶり続ける記者も目立つようになってきた。新人記者が「東京のどこの部署も欲しがらないような残念な記者にはなりたくない」と思うのも無理はない。
では、どうやったら東京にあがれるのか。もちろん社内での政治力を磨く記者もいるが、正規のコースは地方で特ダネを打って目立つことだ。
そこで、新人記者は悩む。「どうやったらスクープを打てるのか……」と。しかし、実は新人が新人なりに独自記事を各方法などとっくに確立されている。それが賭けマージャンであり「権力との癒着」だ。