仕事の投入量を減らす「3つの要素」

まずは自分がやること、すなわち投入量を減らすことについて解説します。

仕事の投入量を減らすためには、大きく3つの重要な要素があります。

①業務量を減らす
②業務時間を減らす
③業務の手戻りをなくす

こうした取り組みを進めることを、ビジネスの世界ではBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)と呼んでいます。

このBPRという言葉は、1990年代から一般的に広まったと言われていますが、会社のオペレーション改革の現場では、さまざまな分析や業務改善が研究され、手法が確立されています。

近年では、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを活用し、自動化や省人化を進め、人間の投入量を極力減らしながら業務効率を上げていく取り組みが進んでいます。

会社の業務改善にこうした手法が積極的に取り入れられているにもかかわらず、その業務の主な担い手である個人目線からもBPRが意識されていなければ効果も生まれません。

業務量・業務時間を減らす最も効果的なことは、もちろん「やらないことを増やす」ことです。やる必要のある業務とやる必要のない業務を見極め、やる必要のない業務を減らせれば、業務量は削減できます。

「リストの上から仕事をする」のをやめてみる

しかし、言うのは簡単ですが実際にやるのは簡単ではありません。

なぜ難しいかといえば、

・どれをやる必要があり、どれをやらないで良いかが、自分ではわからない
・上司や周りから、「とにかくやれ!」と言われてしまう

からではないでしょうか。ただ、逆に言えば上記のことを自分の中である程度コントロールできれば、成果を減らさず(もしくは成果を増やしながら)、作業量を減らすことができるはずです。

特に、どれをやり、どれをやらないで良いかの判断を自らでできるようになれば、業務を主体的にコントロールできます。

そのための最初の重要な手法は、ゴールベースで業務を感覚的にイメージしてみることです。

通常、私たちは仕事でやることを(明示されているか頭の中にあるかは別として)リスト化しています。

私たちは、こうしたリストやフレームワークを基に作業をどうしても前から、上から順番にやりたくなるものです。しかし、仕事の目的は成果を上げることです。業務を順番に行うことではありません。

にもかかわらず、業務に慣れてくるといつしか、決められた業務を順番に行うこと自体が目的化してしまうものです。

そうならないよう、仕事を「成果につながるか」によって選別します。