「今は必要とされるエアラインだと自信を持って言える」
「破綻前にもスカイマークを支持するお客さまはいらっしゃいましたが、米子―神戸や東京―名古屋など、他社便が飛んでいないコアな路線の顧客の方々でした。でも、今は、スカイマークのファンの年齢層が広がり、分厚くなっていると感じます」
「例えば」と石田は続けた。
「今回ヴィッセル便で顧客の存在を確かに感じられたことや、新千歳空港でのメッセージボードがツイッターで話題になったこと。今はスカイマークは必要とされるエアラインだと自信を持って言えます。運航の再開を待ってくださるお客さまが確かにいると思える。だから目の前のことを一つひとつやっていくだけです」
そしてこうつけ加えた。
「過去の遺産が思わぬところで生きているんです」
減便や運休が増えたことで、コールセンターの人手が不足しがちになっている。そのことを聞いて、客室乗務員のなかから「コールセンターを手伝いたい」という申し出がいくつもあったという。破綻前、スカイマークでは客室乗務員はカウンターや電話対応もするように決められていた。そのため、破綻前から勤続する客室乗務員には電話対応業務のスキルがある。
「破綻を乗り越えた社員には、好きなこの会社と一緒になんとか生き残ろうという気持ちが強いんだと思います。そのうえ、お客さまのために飛ばす喜びを実感できたのでもっと強くなれた。日々、飛ばし続けていること、それがお客さまのためになっているんだと思います」