自分の経営でも、忍耐・平常心・バランスを大事にしています。「うまくいった原因は何ですか」と聞かれたら、調子に乗らないことと答えているくらいです。私のような起業家は、ゼロから会社をつくり、何もかもうまく回り始めると、万能感が出てくる人が多いです。そのとき、敵を増やしたり、すぐ未来に躓く原因をつくったりしてしまうものです。「勝って兜の緒を締めよ」は誰もが納得する言葉ですが、調子がいいときにバランスを崩さないことは、とても大事だと思います。

お調子者の人は、取引相手でも、ある意味与しやすいですね。おだてていれば、有利に事を運べるからです。そういう人は麻雀も弱そうです。手強いのは「食えないやつ」みたいなタイプです。おだてても乗ってこないし、脅しても動じないような。麻雀が強いタイプとは、つまりそういう人です。

「麻雀、頑張って!」声を掛けられるが……

AbemaTVで放送している麻雀番組に、自らたくさん出演していた時期がありました。それは麻雀のコンテンツとしての価値を高めるため。まだ麻雀プロの知名度が低かったので、ビジネスマンには多少知られている自分が出ることで、アピールしようという狙いがありました。出るからには、プロにも負けたくないという思いが強くなり、凄く真剣に取り組んでいたところ、アマチュアである私が大事な場面でプロに勝つことも増えました。しかし、それでは麻雀プロを盛り上げようとしているのに、本末転倒になってしまうので、最近は出演を控えることにしています。

とはいえ、かなりの放送対局に出演したので、麻雀ファンの中ではそのイメージが強いのか、街で声を掛けられることもあります。「藤田さんですよね? 麻雀いつも見ています!」とか「藤田さんの麻雀に影響を受けました」という声をいただいたり、握手やサインを求められることもあります。が、「これからも麻雀頑張ってください!」と言われると、(頑張らないといけないのはそっちじゃないんだけど……)と思ったりします(笑)。もちろん経営者としての仕事を頑張ります。

今回の写真の撮影のときも、カメラマンの方から「牌を摑んでポーズしてください!」などの要望を受けて、私は一体何をやっているのだろう……と思ったものです。それだけ麻雀愛がある経営者ということで、これからも麻雀の健全化、イメージアップ、発展に貢献していきたいと思っています。

▼「見る雀」は令和注目の新コンテンツだ!
約25のチャンネルが24時間無料で見られるインターネットテレビ局「AbemaTV」は、サイバーエージェントとテレビ朝日が出資して設立したAbemaTVが運営している。麻雀チャンネルでは、日本初の国内麻雀リーグ「Mリーグ」をはじめ、様々な麻雀番組が配信されている。対局が生中継されるMリーグは、約500万人が視聴するコンテンツに成長した。
(構成=プレジデント編集部 撮影=泉 三郎)
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