なぜ「対韓輸出規制」と「徴用工」を結び付けないのか

産経社説はこうも主張する。

「何よりも韓国が信頼に足る姿勢をみせているかどうかが問われよう。韓国側代表は対話後、『韓国の輸出管理制度と運用が正常かつ効果的になされていることを説明し、理解を求めた』と語った。だが、現体制で問題なしというばかりでは、日本の懸念に真摯に応えようとしているとは思えない」

韓国側に「信頼に足る姿勢」を求めるこの産経社説は、かなり大上段に振りかぶっている。いまにも韓国が攻めてくると一方的に決めつけ、真正面から対応しようというのである。

最後に産経社説は主張する。

「近くソウルで次回対話が開かれる。もはや、かつてのように韓国の体制不備を大目にみることはできない。安易に妥協すれば、『徴用工』問題や慰安婦問題などと同様、再び大きな禍根を残すとみておかなくてはならない」

産経社説は「輸出規制を無造作に緩めると、徴用工問題と同じように禍根を残す」との趣旨で主張するが、前述したように毎日社説は「元徴用工問題の解決なしには、輸出規制措置の撤回も困難」と指摘する。産経社説と毎日社説のどちらが正しいのか。

どう考えても対韓輸出規制の問題は、徴用工の問題が発端である。両者を切り離すことはできない。徴用工問題を解決して初めて対韓輸出規制問題も解決されるのである。そこをなぜ、産経社説はお得意のストレートさで主張しないのか。残念である。

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