自動車会社が生き残るには

この考えにもとづき、イタリアのフィアット・クライスラー・オートモービルズとプジョーを傘下にもつフランスのPSAは経営統合に合意した。今後も国境を越えた自動車業界の再編は増える可能性がある。

そのような状況下で、相対的に経営規模の小さい企業を取り巻く環境の不確実性は高まっていると考えられる。中小の自動車企業が生き残るためには、高級スポーツカーの生産を手掛けるなど、ニッチ市場での競争力を高めることが重要だ。ただ、その発想で世界的なEV化や自動運転技術の開発といった変化に対応できるかは見通しづらい。

こう考えると、世界の自動車業界において、規模の大小を問わず、経営体力の増強を目指すことの重要性は高まっている。わが国でもスズキがトヨタとの資本提携を発表するなど、大手企業との関係を強化し、世界的な競争の激化に対応する考えは強まっている。今後も、生き残りをかけてほかの企業との提携、さらには経営統合を重視する自動車企業は増えるだろう。

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