なんとも扱いづらい人種だと思うかもしれません。しかし逆に言えば、自分に関心を持ってくれて、自分を認めてくれて、正しい方向に導いてくれる上司ならば、どんなに叱られようが、耳の痛いことを言われようが、期待に応えたい、ついていきたいという一面もあります。一昔前の「ド根性文化」も意外と好きなのでは? と感じることも多々あります。

ということは、上司は部下に本心から関心を持ち、そしてそれを示せばいいだけ。でもそれは単に飲みに誘うとか、プライベートを交えた世間話をするということではありません。オンとオフをきっちり分ける人たちでもありますから、まずは仕事を通じて、彼らの価値観を知る努力をしたほうがいいでしょう。

たとえば部下がミスをしたときは、本人の内面を知る絶好のチャンスです。ミスをした本人は叱られることを予測して、落ち込んだり、不貞腐れたりしているかもしれません。そんなとき、私はまず指導する前に「言い訳タイム」を設けることをおすすめしています。

「あなたにも言い分があるでしょう。それを全部言ってみて」

こう言うと「昨日は遅くまでこの作業をしていて……」などと言い訳が始まります。途中で口をはさみたくなっても、遮らずにずっと聞いていると、必ず自分から「これは言い訳なんですけど」と反省したり、「次から気をつけます」と勝手に自己完結したりします。

今どきの若い社員の共通点

今の若い人は、やはり傷つくことや否定されることを怖がります。ミスを恥じる感覚も強い。だから何か自分の意見を言うときも、「間違っているかもしれませんけど……」「ちょっと変かもしれませんが……」などの枕詞がつく。そのわりに言っていることは全然変でも間違ってもいない。それくらい「×」をつけられることがイヤなのです。

だからミスをした部下には、「ここがダメだったね」と上司から指摘するのではなく、自分から「ここができていませんでした」と申告させたほうがいい。他人に傷をえぐられるより、自分から認めたほうがマシだからです。

上司は言い訳をすべて吐き出させたら、「今言ってくれたこと、自分で気づいてくれてよかったよ。それにさらにプラスするとすれば、こことここかな」などと、上司としてフォローします。そうしたら、あとはもう引きずらないこと。そうすれば部下は、「この人は自分のことを攻撃したいわけじゃないんだな」「自分が嫌われているわけではないんだ」と安心して信頼関係を築いていけます。