「高く売る」より「安く売る」ほうが成功しづらい

高価格戦略では、様々な「顧客が買う理由」を編み出すことができる。

ある部品メーカーは、他社と同じ部品を作っているにもかかわらず、「即日納期」を売りにすることで、他社の数倍の価格でも短納期を求めるメーカーの注文が殺到している。

DG TAKANOという町工場が開発した節水ノズル「バブル90」は、蛇口に取り付けると最大95%を節水して洗浄ができる。ある居酒屋が店の蛇口に付けたところ、1カ月17万円だった水道料金が6万円台にまで下がった。店の水道料金を見た大家さんが「売上が激減しているのでは」と心配したほどだったという。価格は数万円だが、2018年の販売数は4万個。高くても短期間でコスト回収できるので、皿洗いで水を大量に使用する飲食店を中心に売れているのだ。さらにDG TAKANOは、独自の新規事業開発のノウハウを活かし、課題解決型のコンサルティングも提供するなど、事業を拡げている。

高価格戦略を選べば、価格にとらわれずに、様々な打ち手が可能だ。しかし低価格戦略を選んだ途端に、あらゆる打ち手は「低価格」という前提条件で制約されてしまうのだ。

「高く売る」という高価格戦略は、一見すると難しそうに見える。

しかし実際には、低価格戦略で成功し続けるほうが、はるかに難しいのである。

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