「絶対に、いいですか、絶対に、二度と罪を犯してなりませんよ」
被告人の人生や犯行に至る経緯が法廷内で明らかになってくると、あろうことか検察が被告人に同情したのか、どこか戦意喪失したような口調で「意見・求刑」を行ったのだ。
「重大な罪を犯した被告人には罰則を与えるべきである」という“演技力”を求められるのが検察官だ。熱く訴えるべきところを実にあっさりとすませてしまった。何の意図もなくこんなことをするはずがなく、「なるべく軽い刑でいいですよ」というメッセージとしか思えなかった。
それを察知したのか、弁護人は最終弁論をくどくど述べず、裁判長に花を持たせる粋な計らいをする(ように思えた)。傍聴歴19年目で初体験した法曹三者の連係プレー。裁判長が満を持して熱い説諭を口にしたのは言うまでもない。
「あなたは絶対に、いいですか、絶対に、二度と罪を犯してはなりませんよ(中略)まだ十分、人生を立て直せるはずです。わかりましたね」