2017年から2019年で認知度は約4倍に伸びた

安全性を重視した家庭向け野菜の宅配を中心に展開していた同社には、顧客から「料理をしたくても忙しくてできない」「野菜の使い方がわからない」などの声が届いていた。そこで、レシピと食材のセット販売を始めたところ、熱狂的な支持が集まり、ミールキットの本格的な開発に至ったという。

特に累計出荷食数の伸び率が高くなったのが、2017年以降だ。同社はその理由を、認知度の向上にあると考えている。調査を行った結果、2017年には20.7%だったミールキットの認知度が2019年には80.8%まで上がり、約4倍に伸びていることがわかった。執行役員でサービス進化室室長の菅美沙季氏は、こう振り返る。

「当社のサービスを初めて使う人向けの『お試しセット』にミールキットを入れ続けてきました。それがSNSで発信されたり、テレビや雑誌で紹介されたりしたことで、世の中の認知度が上がっていったと思います。インスタがはやりだした時には、インスタグラマー監修の商品を発売したこともあります」(菅氏)

撮影=プレジデントオンライン編集部
執行役員/サービス進化室室長の菅美沙季氏

大人用の料理から「とりわけ」ができるシリーズもある

利用傾向を調べると、時間や子供の有無によって選ぶ商品が変わるという興味深い調査結果が出た。例えば時間に余裕があり、手の込んだ料理を作ることが可能な家庭には、レストランの味を家庭で楽しめる「シェフシリーズ」が人気だ。シェフや料理研究家が監修したメニューで、誰でも簡単に目新しい料理を作ることができる。このような家庭の場合、1週間に1~2回分のミールキットを注文するのが恒例だ。

仕事や子育てで忙しく、調理時間をできる限り減らしたい利用者には、「クイック10」のシリーズが好評だ。野菜や肉類をバランスよく食べられる主菜・副菜が、たった10分で完成する。このような家庭では1週間に3~4回分注文するのが定番だが、毎日ミールキットを頼んでいる家庭もあるという。最近は、大人用の食事を作りながら0~2歳の子供用の食事をとりわけられるシリーズも人気だ。