偏差値55でも早稲田の法学部や商学部に大逆転合格できた理由
シンプルに言えば、秋から受験直前に伸びる受験生=過去問対策を怠らない受験生といえます。反対に、伸びない受験生=過去問対策をないがしろにする受験生です。
私大文系の予備校生で秋の段階で総合偏差値(英・国・社)が55程度であっても、早稲田大学法学部(偏差値67.5)や商学部(偏差値70.0)に大逆転合格を決める人たちが毎年います。彼らの多くは「相当に過去問をやりこんでいた」と言います。
ただし、ここで、「そうか! とにかくバリバリ過去問を解けば合格に近づく」と単純に考えてはいけません。やみくもに、ただひたすら「過去問」を解けばよいわけではないのです。
予備校にはいろいろな理由で、「受験勉強に専念できなかった受験生」がいます。そして、そういった人たちは、自学自習の勉強の方法やスケジュールの立て方がわからないことがあります。何かをやろうとするのだけれども、何をしていいかがわからない。そのため「とにかく過去問を解きまくる」という“勉強”に走るのです。
その気持ちはわかります。しかし、厳しい言い方をすれば、それは単なる“逃避”です。つまりは、「過去問に逃げる」。このタイプはたいてい失敗します。
「基本」をやらずして、やみくもに「総合演習」してもムダ
過去問はいわば“総合演習”です。単元別の習熟度を問うようなテストではありません。大学受験に必要な基本学習をすべて終えた受験生に対し、総合的な範囲から出題し、実力を試すものです。
よって「受験勉強に専念できなかった受験生」がやみくもに過去問演習に走るのはナンセンス。やる意味がありません。すべての単元の学習を終えた人向けのテストを、まだすべての単元の学習を終えてない人間が取り組むという、まことにこっけいなことになってしまうのです。
そのような受験生は、過去問に取り組む前に、まずは英語なら英単語・熟語・文法、社会なら歴史の流れの理解や用語、古文なら古語、古典文法の理解や暗記などに集中するべきです。
「今からそんなことやって間に合うのか?」という不安はあるでしょう。しかし、やみくもに過去問を演習する、という無謀なやり方に比べれば、よほどマシな勉強といえるでしょう。