合格する過去問のやり方には「コツ」がある

最後は、⑤「目的意識を持って勉強していない」です。

漠然と過去問をやるより、一定の「目的」をもったほうが効果は高いです。現代文の場合の「目的」はこうしたものが考えられます。他の科目にも似たことが言えるのではないでしょうか。

・スピードトレーニング
・各大学の特定の出題形式に慣れる
・体力付け
・現時点での自分の理解度を確認する

「スピードトレーニング」に力点を置くなら、複数ある大問の中から一題だけ、しかも時間をシビアに設定(例えばセンター試験の評論なら18~20分ほど)して解くスタイルが適当かと思います。

また、「特定の形式に慣れる」も大事です。例えば、東大の文理共通問題や一橋の要約、早稲田法学部の記述問題を含む大問、早稲田文化構想学部の融合文などは、一定の枠組み、形式の踏襲が見られます。その形式に慣れることは、これらの大学で高得点を取るために、非常に大切なポイントとなるはずです。そのためには、やはり他の大問は置いておき、当該大問だけを集中して数年度分解く、という方法がよいでしょう。

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「体力付け」とは、本番の指定時間内にすべての大問を読み、解くための「体力」を身につけることです。このためには、大問ごとに演習するのではなく、古文や漢文を含めたすべての大問を、決められた時間内に通しで演習することが不可欠です。

最後は「現時点での自分の理解度を確認する」という点。これは、問題の処理速度はいったん置いておき時間無制限で取り組むことによって、その問題に対する理解力の有無を確認する作業です。具体的に言えば、一定の理解力が身についているならスピードトレーニングに移り、理解度が低いなら過去問はいったん中止して、基礎的な問題集に戻る。そこで無理してスピードトレーニングをしても意味がありません。

こういった「目的意識」をしっかり持つことで、過去問演習は意義あるものになります。

この時期、過去問をうまく活用できれば成績を向上させ、受験する大学・学部特有の問題に特化した得点能力を身につけることも可能です。それこそが、冒頭で触れた偏差値55でも早稲田法学部や商学部に逆転合格といったミラクルを起こすのです。反対に、過去問に逃げて、勉強をやったつもりでいてはミラクルは期待できない。ただ時間を浪費するだけであることを忘れてはいけません。

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