勉強よりもゲームが大好き。そんな子にどんな声かけをすればいいのか。現役東大生で謎解きクリエイターの松丸亮吾さんは「ゲームと違い、学校の勉強はゴールがわかりにくく、ミスをすると恥ずかしい思いもする。ただ裏を返せば、ゲームのように捉え直せれば、勉強は楽しいものに変えられる」という――。
なぜゲームは楽しくて、学校の勉強は楽しくないのか?
ゲームばかりに興じているわが子に親はどう対処したらいいのだろうか。
何度も、「学校の宿題をやりなさい」と言ってもやろうとしないのに、ゲームは何時間もすごい集中力でやり続けている。勉強もゲームくらいの真剣さでやってほしいと思っている親は多いに違いない。
今夏、創造的な学びの場を産官学連携で提供しているNPO法人CANVASが行った「夏休み、子どもとデジタルゲームの上手な付き合い方」セミナー(協力:株式会社ポケモン)には、そうした親の深い悩みを解決するヒントがあった。
このセミナーのゲストのひとりは、「ゲームと学習」について研究している東京大学大学総合教育研究センター講師の藤本徹さん。藤本さんによれば、多くの人が夢中になるゲームには次のような4つの要素があるという。
「1つ目は、達成したくなるような明確なゴールがあること。2つ目は、ゴールに到達するためのルールが決まっていること。3つ目は、プレイヤーがしたことに対してフィードバックがあること。4つ目は、それをするかしないかは自発性に任されていることです。こうした条件が揃っていると、人はやる意欲を持ったり、おもしろさを感じたりするようになります」(図表1参照)
そして、子供がとかく嫌う学校の勉強にも、実はこのゲームの魅力に似た要素があるというのだ。
「学校の勉強のゴールは、テストで満点を取ったり、受験で合格したりすることです。ルールは校則、フィードバックは通知表など。ただ、ゲームに比べて、学校の勉強はゴールがわかりにくかったり、おもしろさが足りなかったりするのです」