最良のハイエンドトラベルとは

現在、欧米ではそのエッセンスを汲み取ったハイエンドトラベルが広く浸透する一方、日本においては本質の理解が進んでいない。

山田理絵『グローバルエリートが目指す ハイエンドトラベル』(講談社)

「ハイエンドトラベルとは、必ずしも上流家庭のためのものではありません。そしてハイエンドトラベラーが求めるのは、『お金で買える最高級』ではなく『お金で買えない特別な体験』です」と山田氏は指摘する。

「いまの自分に何が必要か。自分自身を見つめ、テーマを選ぶところから旅は始まります。旅を切り口に、豊かな人生を送るためにはどんな経験をすればいいか、どのようなステップで希望を実現するかを考えることに意味があります。同伴者がいるなら、旅の前に時間をつくって話し合い、お互いの価値や目的を理解する。そのうえで、旅という非日常の空間で、日々の閉塞感から脱し、自己を解放し、人との交流や体験を通して答えを導き、自分自身を高めていく。最良のハイエンドトラベルとは、内面に刺激を与え、自己を変容させ、新しい自分に出会う旅なのです」

社交に長けたグローバル人材が圧倒的に不足しているとされる日本。本書の指摘から学ぶことは多いだろう。

山田理絵
ラグジュアリー・コンサルタント
早稲田大学第一文学部卒業。1996年に茶道宗徧流十一世家元の山田長光氏と結婚。茶名・山田宗里。
(撮影=ミヤジシンゴ)
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