ブームを拡散した「フーディ」の存在
それと同時に、市場にはヴィーガンのアイテムが続々と増えている。ヴィーガン・バーガーからヴィーガン・ピザ、チーズの代わりにナッツやタピオカなどが原料となるヴィーガン・チーズ、アイスクリームまでありとあらゆるものが手に入り、しかもおいしくなっているとサラさんは言う。
ここが大きなポイントで、ミレニアル&Z世代(1981年~2010年くらいまでに生まれた世代)は「フーディ」と呼ばれ、前の世代に比べて圧倒的にグルメで食へのこだわりが強く、おいしくなければ見向きもしない。
一方でこうした店の情報に加え、豊富なレシピがネット上にあふれ、デジタルネーティブの若い世代が共有することによりさらに拡散していっているのだ。
2019年のヴィーガンはセレブやインフルエンサーが盛り上げ、ネット上で増幅されていく一大トレンドである。
しかしトレンドということは、一過性のものなのだろうか? その答えはセレブも含め、彼らがヴィーガンになっている理由を調べていくとはっきりしてくる。
そこにはアメリカ人が抱える深刻な健康の問題と、さらには地球規模で人間の将来に関わるもっと大きな課題、さらにはビジネスチャンスが隠されていることも分かってくるのだ。(続く)
ジャーナリスト・ミレニアル世代評論家
早稲田大学政治経済学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。ラジオ・テレビディレクター、ライターとして米国の社会・文化を日本に伝える一方、イベントなどを通して日本のポップカルチャーを米国に伝える活動を行う。長い米国生活で培った人脈や米国社会に関する豊富な知識と深い知見を生かし、ミレニアル世代、移民、人種、音楽などをテーマに、政治や社会情勢を読み解きトレンドの背景とその先を見せる、一歩踏み込んだ情報をラジオ・ネット・紙媒体などを通じて発信している。オフィシャルブログ