嘘よりも問題なのは脱税の疑い

宮迫さんたちが、反社会的勢力だと知らなかったのであれば、そこからお金を受け取ったことについて嘘を付いたとしても、仕事を全部奪われるような話ではない。

しかし、問題は税務申告の件だ。

事務所を通しての仕事の場合、各タレントには銀行振り込みで報酬が支払われるので、収入を誤魔化しようがない。

しかし今回は、各タレント間でギャラが配分されたという報道がある。この収入はきちんと税務申告されていたのか。申告がなければ完全な脱税である。

脱税となれば、これまで騒がれていた話の中身が完全に変わってくる。

吉本興業が各タレントに最低限の仕事を保障しているのか、事務所を通じない仕事を合理的な形で禁止しているのか、今回の嘘はそこまで社会的制裁を受けなければならないものなのか、などの問題はあるにせよ、脱税となれば言い訳無用となってしまう。

吉本興業には、今回の件で明らかとなった諸種の問題点には、タレントを守る視点できっちりと対応してもらいたい。

そして、税務申告の件についてもきっちりと調査し明らかにしてもらいたい。

税務申告においては、犯罪性のある脱税から、計算上の申告漏れというものもある。僕も、政治家になる前に、申告漏れによって修正申告したことが報じられたことがある。

ゆえに、宮迫さんたちに、犯罪性のある脱税の疑いがなければ、テレビ番組以外の仕事においてしっかりとサポートしてあげて欲しい。そうであることを願う。

(略)

(ここまでリード文を除き約3500字、メールマガジン全文は約2万2100字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.158(7月2日配信)を一部抜粋し、大幅に加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【大成功・G20大阪サミット】トランプ大統領の交渉術、組織マネジメントには脱帽だ/芸能人「闇営業」の問題点》特集です。

(写真=iStock.com)
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