今回の改元は5月1日で、新元号「令和」の発表は4月1日と1カ月前だったことが、昭和から平成への切り替え時などと、決定的に異なる。天皇陛下崩御による自粛ムードがあったこれまでの改元と違い、今回は国民こぞってのお祝いムードが高まっている。
今、100歳の人でも、改元という時代の変わり目を迎える経験は、1926年の「大正」から「昭和」、1989年の「昭和」から「平成」、そして今回2019年の「平成」から「令和」の3回にすぎない。めったにない一大イベントと言えよう。
ゴールデンボンバーはさっそく新元号ソングを発売
すでに「平成」や「令和」にちなんだ関連商品、サービスもさまざまなかたちで出てきている。ゴールデンボンバーがさっそく“最速”目指して新元号ソング「令和」の制作風景をインターネット配信し、10日には一部店舗で先行発売した。旅行業界ではこれまでも「平成最後の伊勢神宮参拝」をはじめ、「平成最後の……」と銘打った企画が人気であった。
4月30日から5月1日にかけて、元号をまたぐツアーなども企画されている。4月1日の新元号発表に合わせた、「令和」の文字が入ったあめなどの商品も即日販売された。当面、改元記念の「コト消費」が増えそうだ。
社名に「令和」を入れた企業も30社を突破
東京商工リサーチは4月11日に新元号「令和」と同じ漢字表記を会社名に入れた企業が、全国22都道府県で32社になったことを明らかにした。法人登記が完了し、同日までに登記簿が閲覧可能となったものを確認したという。
新元号が発表された4月1日時点では、同社が保有する317万社のデータベースには「令和」が入った会社は1社もなかったという。新元号ブームに乗って、今後も新元号を入れた企業が増えそうだ。『万葉集』で大伴旅人が主催した観梅の宴の地が大宰府であったからか、福岡県が最多の5社だという。
期待される「令和婚」「令和ベビー」の増加
令和元年に合わせた結婚式や出産も増えるだろう。2000年は『ミレニアム婚』や『ミレニアムベビー』が話題となった。婚姻件数の前年比の推移をみると、99年▲2.9%、2000年+4.7%、01年+0.2%、02年▲5.3%、03年▲2.3%である。+4.7%の増加率は、1961年以降2018年の58年間で、71年+6.0%、93年+5.1%に次ぐ3番目に高い前年比である。
出生数の前年比の推移をみると、99年▲2.1%、2000年+1.1%、01年▲1.7%、02年▲1.4%、03年▲2.6%である。1999年から2018年の最近の20年間でプラスの伸び率になったのは4分の1の5年だけで、他は2006年+2.8%、08年+0.1%、10年+0.1%、15年+0.2%である。ミレニアム婚、ミレニアムベビーの影響が大きかったことがわかる。