昭和から平成への代替わりと異なり、今回の改元は事前にスケジュールがわかっていた。2000年当時と同じく、改元に合わせた令和婚や令和ベビーの誕生が期待できよう。またそれに合わせた個人消費の増加も予想される。

4月16日には、LINE、日本テレビ、アニプレックスが3社共同で、新時代における新たな才能を発掘する文学賞第1回「令和小説大賞」を開催すること発表した。

一部に景気後退の懸念も強まっているが、改元で消費者心理が明るくなることで、19年の国内景気や個人消費を下支えする効果が大きいだろう。

景気ウォッチャーとはどういう人たちか

最近の「改元」の影響を内閣府の「景気ウォッチャー調査」を使って数値化してみよう。景気ウォッチャー調査は、「地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的としている」(内閣府HPより)。「捉えどころのない世間の実感」を適格に把えるために「景気ウォッチャー調査」は、全国各地で景気に敏感な立場にある人々からの報告を、各地域のシンクタンクが分析処理するシステムになっている。調査対象の景気ウォッチャーは全部で2050人である。

景気ウォッチャーを選ぶに当たって、業種と地域という2つの基準を設け、それぞれの内訳のウエートを実際の民間の実態に合わせて決め、全地域の合計が日本経済の縮図になるように設計されている。

景気ウォッチャーの構成は約7割が、タクシー運転手、百貨店やコンビニ、家電量販店、スナック店長など、多くの消費者と接する家計動向関連。約2割が受注の動きなどがわかる企業動向関連。残り1割がハローワークや学校の就職担当など雇用関連である。地域の事情に詳しいシンクタンクが、景気動向をきちんと把握する能力と意欲があり、的確に説明できる人を厳選して選んでいる。

「景気ウォッチャー調査」の結果が景気動向を的確に表しているのは、使命感を持っている方が景気ウォッチャーになっていて、回答率が9割と高いことがポイントとなっている。

そのうち注目度が高い調査項目が現状・先行き・現状水準の各判断DI(ディフュージョン・インデクス)である。現状判断では3カ月前に比べ景気が「良くなっている」「やや良くなっている」「変わらない」「やや悪くなっている」「悪くなっている」の5段階で評価してもらい、それぞれ「1」「0.75」「0.5」「0.25」「0」の点数を割り振り、加重平均して数値を算出する。指数は50が判断の分岐点となる。DIの数値は50が横ばいを表し、これを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる人が多いことを示す。