「課題」を頭に置くと理解しやすい
「ランキング化する」「問いを立てる」といった聞き手の興味を引く言い回しのバリエーションに、「課題や大切なことを文頭に置く」という手法があります。
日本語は、「……が課題です」「……が重要です」というように「課題」や「重要」という言葉は最後にくることが多い言語です。みなさんの会話も、大体こうなっているのではないでしょうか。
でも実は、これだと文章を最後まで聞かないと、伝えたいことが「課題」なのか、「重要なこと」なのか、「メリット」なのか、「気になること」なのか、聞き手にはわかりません。
以下の2つの文章を比べてみましょう。
B「問題は、育児中の女性社員の上司が信頼できる人でも、育児の大変さを理解していないことが多い、ということです」
Aは、最後まで聞かないと「上司を褒める」話なのか、「上司の問題を指摘する」話なのか、わかりません。
Bは、はじめから「上司の問題」の話が始まるのだと理解できるので、話を聞きながら「何が問題なのかな」と想像しながら話を聞くことができます。
これは、ともすると一文がだらだらと長くなってしまいがちな日本語のプレゼンテーションにおいて、とても聞き手フレンドリーな表現です。
いかがでしたか? 相手を惹きつけ耳を傾けさせるプレゼンというのは、予想以上に「プレゼンの語彙力」によるところが大きいのを、感じていただけたでしょうか? せっかくデータを集めたり提案内容を練ってプレゼンに臨むなら、プレゼンの語彙力を身に付けてYESを引き出してください。また、ここだけの話、「他社との差別化がキツい」「圧倒的なメリットがつけられない」プレゼンをする際にも、プレゼンの語彙力は大いにあなたの味方をしてくれることでしょう。