「問いかけられる」と人はイヤでも考える
人は、問いかけられると考えてしまう生き物です。テレビでも「明日の天気はどうでしょうか?」「なぜ真面目な社会人の彼が犯行に及んだのでしょう?」と問われると、思わず自分なりにその答えを考えてしまいます。
問いかけには、つまらない勉強であっても楽しくする力があるのです。
池上彰氏の番組で扱うニュースを新聞で理解しようとすれば、秒殺で眠くなるでしょう。しかし、池上さんからテレビ越しに「なぜヨーロッパと日本ではこれほど考え方が違うのでしょうか?」と質問されると、真面目に答えを考えてしまいますよね。
この、問いかけの力をプレゼンでも利用するのです。
たとえば下記の2つの言い方のうち、どちらがより「刺さる」と感じるでしょう。
A「痩せるためには糖質をカットすべきです」
B「痩せるためには何をするべきか? 糖質カットです!」
B「痩せるためには何をするべきか? 糖質カットです!」
ほんの言い回しの違いですが、多くの人はBの言い方のほうがより強く印象付けられるのではないでしょうか。これが、「問いを立てる」という手法です。
聞き手に何を問えばプレゼンに興味を持つかな、と考えてみましょう。
たとえば「簡単な料理法」についてのプレゼンなら、「皆さんは料理にどれくらいの手間を掛けていますか?」と問えばいいわけです。日本の文化についてのプレゼンなら、「日本人がお辞儀をするのはなぜなのでしょうか?」と問うのです。
問いを立てると、人は「自分ごと」で考えてくれます。逆に、どんなに良い提案であっても「自分とは関係ない」という印象を与えてしまうと、人は話を聞いてくれません。