相手を気分よくさせる質問

一方、「最近、サッカーの調子はどう?」というオープン質問をすれば「最近ちょっと足を痛めて練習できてないんですよ」「足はどうしたの?」というように会話がつながります。ちなみに、オープン質問の代表例は5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)です。これ使った質問をすれば、自然とオープン質問になります。

さらに、相手を気分よくさせる質問があります。それは、教えてもらうということです。例えば、「子供がサッカーをやってるんだけど、なかなか試合に出してもらえなくて。どうしたらうまくなるのかな?」と質問してみます。相手は喜んで教えてくれるでしょう。人は、教えるということで、自尊心が満たされます。

部下が興味を持てないような話を一方的にするより、このように質問を活用して相手に話させるほうがよい会話になります。昼休みや、外出で同行する際のちょっとした時間を活用して、若い部下とフランクにコミュニケーションをとっておきましょう。そうすることが、「相談しやすい環境作り」につながり、結果的に職場運営のプラスになります。

一本足で立っていられる実力があるか

3.フラミンゴ

「フラミンゴ」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。世界のホームラン王、王貞治さんを思い出した人は50代以降の方でしょう(ちなみに私もそうです)。王さんのトレードマークは一本足打法。一本足で立つことからフラミンゴ打法とも呼ばれていました。若い部下に好かれるのは一本足でもピシッと立っていられる上司。ひとりで、難度の高い仕事が完結できる。そんな自立した上司が尊敬されます。

管理職に求められるスキルは3つあると言われています。それは、「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」です。コンセプチュアルスキルは戦略立案、問題解決などに使う考える力。ヒューマンスキルは話す、聞く、交渉・説得する際に使うコミュニケーション能力。そして、テクニカルスキルは業務の進めるための専門知識、専門技能を指します。

この3つを高いレベルで持っていることが自立した上司の条件ですが、テクニカルスキルは範囲が広いことが多く、すべてにおいて部下を上回る知識・技能を持つことは難しいものです。だから、テクニカルスキルについては、部下のほうが上という分野があっても構いません。部下のほうが詳しいところは謙虚に部下に教えてもらう。そんな上司も部下から好かれます。

部下から「ウチの上司は仕事ができる」と思われる。ポジションパワーではなく、尊敬をパワーにしたマネジメントが理想です。

以上、上からではなく「フラット」にパートナーとして支援してくれ、「フランク」に話すことができ、専門スキルを持ち一本立ちしている「フラミンゴ」。「3フラ」を兼ね備えた人が若い部下に好かれる上司像ということでしたが、おまけがもうひとつあります。

もうひとつの「フラ」は「フランダースの犬」。部下が大変なときは助け、苦しんでいるときには、そっと寄り添う。そんな上司を目指しましょう。

(写真=iStock.com)
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