ダメな上司はすぐに見限られる時代
「管理職たるもの部下に好かれる必要はない」「部下を甘やかしてはいけない」「鬼となって部下を動かせ」。かつては、こんなことがよく言われていました。
いま、そんなスタンスで管理職をやったらどうなるでしょう。若手社員はそんな上司をすぐに見限り、さっさと転職してしまいます。そして人員の補充がなされず、行き詰まってしまうことは目に見えています。だからと言って、腫れ物に触るように接していては仕事になりません。
いまや、若手社員と良好な関係を作り、彼らの力を活かし、成長を促すことが管理職として必須の条件になっています。
この記事では、どのようにすれば若手社員と良い関係が作れ、円滑な職場運営ができるのかを考えます。
私はセミナー講師として、毎年2000人以上の若手社員と接しています。そこから見えてくる「若手社員に好かれる上司」の傾向は、3つあります。それは、「フラット」「フランク」「フラミンゴ」の「3フラ」です。以下、見ていきましょう。
「納得」と「自由度」の欠けた指示は嫌がられる
1.フラット
かつて、学生の部活では監督の言うことは絶対でした。部員は監督の指示通りに動く。疑問があっても質問できる雰囲気ではなく、口答えすればビンタもあり。先輩は1歳しか違わなくても明確に立場が上。掃除や荷物持ちは下級生の役目。ポジションパワーが組織運営の根幹にある。管理職はそんな時代に育っています。
しかし、いまは違います。指示的にならず、学生の自主性を引き出すのが名指導者。体罰など論外。上級生は率先して掃除をする。若い部下たちはそんな時代に育っています。
管理職が自分の育った時代の感覚で、ポジションパワーを前提にしたマネジメントを展開したら、若い部下は嫌がり、ついてきません。若い部下が求めるのは、上下関係を意識させないフラットな関係なのです。
とはいえ、管理職の役割として「部下に指示を出し、指導する」ことはいまも変わらず存在します。かつての「命令」「統制」というスタイルをどう変えていけばよいか考えましょう。
若手社員に指示を出す際のポイントは、「納得」と「自由度」です。
「これは業務命令だ」と上下関係を前提に押し切るような言い方は、若い部下が最も嫌がることです。指示する場合は、部下が納得するような出し方をする必要があります。具体的には「何のためにやることなのか」という目的となぜ君なのかという意義を伝えます。