「なるほどね」と最後まで聞いてから、一つだけ伝える
例えば、備品の発注マニュアルの作成を指示するとしましょう。その際は、「来期の新入社員の受け入れに使いたい」という目的と、「1年前、新入社員だった君の目線で作ってもらえれば、より新入社員の役に立つと思うんだ」という意義を伝えることで、納得感が高まります。
そして、やり方については、自由度を多めに与え、任せることが部下にやりがいを感じさせます。
指示を出した後は指導です。指導にあたっては、「問いかける」という方法が効果的です。例えば「マニュアルの進捗はどう?」「完成を100%とするといま何%ぐらい?」「完成までの課題はどんなこと?」「どうすればいいと思ってる?」というように問いかけます。
そして、部下の話はさえぎらず、「なるほどね」と最後まで肯定的に聞きます。こうすることで「君の考えを尊重している」というメッセージを送ることができます。
もし、修正したほうがよさそうなことがあったら、最後まで聞いた上で、「ひとつだけ思いついたことがあるのだけれど、言っていいか?」と尋ねてみてください。たいていの場合「はい」と返事が返ってきます。そうした後で、「さっき君の言った解決策だけだと、○○という問題が残る。君の考えに加えて、こういうこともやってみてはどうかな」というように告げます。
いまの若い部下が望むフラットな関係を前提とした、指示・指導はこのようなイメージです。
「なにを話せばいいか」という発想自体がダメ
2.フランク
若い部下との日常会話はなかなか難しいものです。共通の話題が少なく、何を話せばよいかわからない。あまりプライベートにクビをつっこむと嫌がられる。だから、会話が少なくてもしょうがない。
そうなってしまいがちなのですが、若い部下たちは上司と気軽に話せるフランクな関係を望みます。では、どんな会話をすればよいか。
まず、「なにを話せばよいか」という発想を「なにを聞けばよいか」と転換しましょう。
雑談で部下を喜ばすことができるような話術を持った上司はごくわずか。たいていの人は、自分のことを話したところで部下の関心は得られません。それよりも聞くことです。
若い部下がサッカーをやっていることを知っているとしましょう。それについて、「最近、サッカーの調子はどう?」といったように聞いてみるとよいでしょう。
ここで、ポイントになるのが質問の種類です。答えがイエス、ノーで終わってしまう「クローズ質問」ではなく、自由に答えられる「オープン質問」を活用しましょう。
例えば「サッカーは続けてる?」というクローズ質問だと「はい」と言われて会話は途切れてしまいます。