予定がたてづらいのは、事故や故障など突発的なアクシデントへの対応です。迅速に対応できるかどうかがお客様の満足度に影響するので、携帯電話は片時も離しません。とはいえ、すべてに対応していたら仕事が終わりません。そのときの優先度は、「緊急度」「重要度」「自分でなければいけないか」で判断します。たとえば「JAFが来るまで車を見ていてほしい」という場合は、ほかのスタッフに行ってもらうこともあります。

突発的な対応でもともとの予定の再調整を迫られるケースもよくあります。当日電話をしてお客様にスケジュールの変更をお願いすることもある。ただ、メルセデス・ベンツのお客様はゆとりのある方が多く、「いつでも好きなときにおいで」と言ってくださる。そこはお客様に助けられていますね。

ヤナセに入って18年。ありがたいことにトップセールスとして走り続けてきましたが、現状に満足するつもりはありません。自動運転やAI技術の進化で、私たちの仕事の在り方も大きく変わるはずです。変化をとらえ、私自身も変化を続けていこうと思います。

▼高柴さんのマルチタスク仕事術
1 予定は午前・午後で、ジャンル別に集約
頭のなかを切り替える時間を減らすため同じジャンルの仕事はまとめる。手帳も左右をAM/PMに分けて、お客様の名前だけを記入。得意先700軒の情報は記憶しており、メモとしては十分とのこと。


2 細かい事務作業は、3分・10分・30分で管理する
商談、アフターフォロー以外の短時間で終わる事務作業は、3分の作業、10分の作業、30分の作業と分類して、机の上に付箋を貼って管理。作業が終わったら、1枚ずつ付箋を捨てていくという。
3 背中で教える時間管理法
支店の後輩には意識して営業や時間管理法を教えてはいないが、自然と真似するようになり支店全体でも残業は少ない。2018年度は最優秀拠点にも選ばれた。

 

高柴利之(たかしば・としゆき)
ヤナセ 名谷店 セールスマネージャー
1977年、兵庫県生まれ。大学卒業後、2000年にヤナセに入社。西日本では15年連続販売台数日本一。毎朝6時に起きて1時間のランニングとストレッチ、水曜日は仕事終わりにヨガのスタジオに通う。
(構成=村上 敬 撮影=福森クニヒロ)
関連記事
会社が絶対手放さない、優秀人材6タイプ
セブンが勝てない「最強コンビニ」の秘密
「安いレクサス」を誰も欲しがらない理由
富裕層は「スマホ」と「コーヒー」に目もくれない
コンビニの「サラダチキン」を食べるバカ