息子には「選ばれた少数者」の真実を伝えたい

もしも僕らの息子が、ほかの人や周りの世界に対して自分が負っている責任を理解せずに育てば、僕は親として失格ということになる。彼が大きくなったら、僕が数十億人のコミュニケーションの方法に革命を起こした企業の草創期に、そしてアメリカ初のアフリカ系大統領を選出した選挙キャンペーンに関わっていたことを教えるつもりだ。

クリス・ヒューズ著『1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法』(プレジデント社)

僕が犯した過ちについても正直に語るつもりだ。僕がときとして野心にとらわれたことを打ち明け、理想主義的な目的を実現するために地道な手段をとることを恐れないよう、教えるつもりだ。彼の祖父母がどこでどうやって育ったか、僕を養うためにどんなにがんばって働いてくれたか、どんな価値観を僕に伝えてくれたかを、彼に話して聞かせるつもりだ。彼らの職業倫理と、自分たちに与えられた世界をさらによくしようとする熱意を息子が学んでくれることを願っている。

そして彼には僕の考える人生の真実を語るつもりだ――僕は運がよかったのだと。僕ら家族が豊かなのは、僕の優秀さや数十年間の努力の賜ではなく、21世紀初頭のニューエコノミーが僕らのような選ばれた少数の者に、思いがけない大収入を一夜にして与えたからなのだと。

また、僕らの富を生み出したのと同じ要因が、ほかのアメリカ人の成功を阻んでいるのだと。そしてほかの人たちに公正なチャンスを与えるために、僕が残りの人生をかけてきたことを伝えられればと願っている。

僕らには長い道のりと多くの仕事が待っている。政策文書を書き、予算を詰め、試験プロジェクトを開発し、キャンペーンを展開しなくてはならない。だがその道の終着点には、安定した着実な収入がもたらす自由と尊厳をすべてのアメリカ人が享受できる、そんな国が待っている。

この仕事を始めるべきときは、いまだ。

クリス・ヒューズ(CHRIS HUGES)
フェイスブック共同創業者
ハーバード大学でルームメイトのマーク・ザッカーバーグほか3人とともに、フェイスブックを創業。広報やカスタマーサービスを担当した。その後フェイスブックを去り、2008年のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ陣営のソーシャルメディア戦略チームを率いる。2012年、老舗のリベラル雑誌『ニュー・リパブリック』を買収。2016年に同社を売却後、友人のナタリー・フォスターとともにEconomic Security Project(ESP)を立ち上げる。ニューヨーク州とカリフォルニア州のスタートアップ企業の投資家/社外取締役でもある。
(写真=iStock.com)
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