各ジャンルで「学歴」はどんな影響を及ぼしているのか。今回、それぞれのジャンルで強い大学を徹底調査した。第6回は「キャリア官僚」について――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年10月1日号)の特集「高校・大学 実力激変マップ」の掲載記事を再編集したものです。

協調性や積極性を求められるように

キャリア官僚と呼ばれる国家公務員の志望者が激減している。人事院が2018年4月20日に発表した2018年度国家公務員総合職試験の申込者数は、国家公務員I種試験から移行した12年度以来初めて2万人を割り込み1万9609人、17年度に比べ4.8%の減少となった。

その要因は、官僚のたび重なる不祥事の影響が大きい。一方、女性の申込者数割合は7年連続で3割を超え、18年度は35.2%と総合職試験導入以降で過去最高を記録した。

「親の立場からすれば、地方出身者なら地方公務員として地元に帰って来てほしいと望むケースは少なくありません。しかし一方で、官僚不遇の時代に、あえて中央省庁のキャリア官僚になってほしいと願う親は少数派なのではないでしょうか」

そう指摘するのは、立命館大学大学院公務研究科の久保田崇教授だ。

「国の制度をつくる、世の中を大きく変えるといった、官僚にしかなしえない仕事の魅力はいまだ残っています。しかし、官邸主導の流れの中では意に沿わぬところで妥協したり、官邸に“忖度”もせざるをえません。また、官僚として前向きに取り組める仕事は少なくなっています。たとえば年金や医療費など社会保障問題を解決しようとすれば、国民全員にとってプラスになることはなく、一定数の国民にはマイナス面を甘受してもらわなければなりません。骨身を削って改革の中身を考え抜いたところで、メディアや世間の批判の目にさらされるわけです」

キャリア官僚は、学歴が高くても収入は割安で、月100時間以上の残業を強いられることすら珍しくない“ブラック”な側面も、敬遠される理由だ。

「同窓会に参加し、商社や外資系企業などに進んだ友人と給料の話をすると、キャリア官僚は民間の3分の2程度ということはよくあります。以前であれば、その分を退職後の天下りで取り返せましたが、今はそれも難しい」