各ジャンルで「学歴」はどんな影響を及ぼしているのか。今回、それぞれのジャンルで強い大学を徹底調査した。第5回は「国会議員・知事」について――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年10月1日号)の特集「高校・大学 実力激変マップ」の掲載記事を再編集したものです。

早稲田は党を超えた人脈を形成

東京大学出身の国会議員が多いのは今も昔も変わりません。25年以上、東大卒の国会議員の数は130人程度を維持しています。なかでも法学部出身者は84人とダントツ。東大法学部を出て官僚になって、地元から出馬。これが1つの「王道」といえます。

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自民党では山下貴司議員、山田美樹議員、鈴木憲和議員などが東大法学部出身の官僚型。野党では、国民民主党の玉木雄一郎共同代表もそうです。

世襲議員で東大出身者は、自民党最大派閥会長の細田博之議員がいますが、あくまでも少数派です。

最近の特徴は「早慶」の逆転。現在の国会議員の出身大学は東大に続き、慶應義塾(76人)、早稲田(72人)が多い。30年前だと、早稲田約75人、慶應約45人でした。つまり、慶應が猛烈に増えています。

慶應出身者は世襲議員が目立ちます。橋本龍太郎元総理や、小沢一郎議員、石破茂議員、竹下亘議員ら。以前は多くが世襲議員でした。しかし、最近では、長妻昭議員、長島昭久議員、松沢成文議員、大塚拓議員などのように、少しずつ非世襲議員が増えたことで慶應の全体数を押し上げました。

対して、早稲田出身の国会議員には、渡部恒三元議員、森喜朗元総理をはじめ、野田佳彦前総理、下村博文議員、松野博一議員など。在学中は雄弁会などに属し、卒業後、松下政経塾、地方議員を経験し、議員になるという「泥臭い」ルートです。早稲田出身議員の同窓会では辻元清美議員が、渡部・森両御大に挟まれて「都の西北」を歌う。党を超えた人脈ができています。