中央大学出身者も減り気味です。名門である法学部で弁護士になって親の跡を継いだのが、ともに2017年に引退した高村正彦元議員、保岡興治元議員ら。キャンパスが都心にあったときは、法学部以外にも経済学部などで親の手伝いをしながら通っていた世襲議員も多かったのですが、八王子市に移転したためか、昔に比べて人気は落ちました。それでも6位にランクインしています。

前原誠司元民主党代表をはじめ、京都大学出身者も国会議員中33人と一定の割合を占めます。川端達夫前衆院副議長のように、工学部を出て民間企業に勤めた人もいます。

創価大学出身者は16人います。公明党の支持母体である創価学会が設立した大学で、北側一雄議員のような司法試験合格者が4人、公認会計士合格者が2人います。資格を持っている人が、候補者として選抜されやすいということなのかもしれません。

知事に目を向けると、東大・官僚出身者が圧倒的。なかでも自治省(現・総務省)から知事になるのが黄金ルート。兵庫県の井戸敏三知事や富山県の石井隆一知事など、9人もいます。

長野県の阿部守一知事は東京生まれ、東大卒ですが、当時の田中康夫長野県知事に請われて副知事を務めていた縁で後継者として白羽の矢が立ちました。このように地元ではなく、自治官僚としての赴任先で、副知事になり知事を支え、そのまま後継者に担がれる場合もあります。福島県知事の内堀雅雄知事(長野県出身)もそうです。

宮崎信行
政治ジャーナリスト
1995年、早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社し、政治部配属。2005年に退職し、07年に独立。