▼関税で大激論! 平易な英語のトランプvs言葉遊びのクルーグマン
ドナルド・トランプ●アメリカ大統領
Donald J. Trump/@realDonaldTrump/2018年3月2日
When a country(USA)is losing many billions of dollars on trade with virtually every country it does business with, trade wars are good, and easy to win. Example, when we are down $100 billion with a certain country and they get cute, don’t trade anymore-we win big. It’s easy!
<英語の解説>
get cute: 俗語で「生意気になる」Don’t get cute with me!<生意気言うな!>というふうに否定形で使う。
<訳>
一国(この場合はアメリカ)がビジネスをする相手の、事実上すべての国と何十億ドルもの貿易赤字になっているとき、貿易戦争はいいことであり、勝つのは簡単である。我々が、ある(特定の)国に対して1000億ドルの貿易赤字になるとその国は生意気になるが、そんな場合、今後はもう貿易をするな。我々が楽勝する。簡単なことだ!
●解説
2018年3月1日トランプ米大統領は鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%と輸入関税を課す計画を宣言した。EUはトランプ大統領に対し、関税を強行すれば欧州側は「強い」対応を取ると警告し、米国からの輸入品28億ユーロ(約3700億円)相当に報復関税を課す方針を示した。2002年にジョージ・W・ブッシュ大統領が導入した鉄鋼関税の場合は、WTOが03年に協定違反と認定したため打ち切られた。また05年にEUが中国製ブラジャーの輸入抑制に乗り出して起きた紛争は、両者の緊急協議によって一件落着となった。今回も結局は貿易戦争にならないだろうという専門家は多い。
ポール・クルーグマン●アメリカの経済学者
Paul Krugman/@paulkrugman/2018年3月6日
A blast(furnace)from the past: on the Bush steel tariffs of 2002. Bush eventually dropped them in the face of EU retaliation
<英語の解説>
blast from the past:「昔懐かしいもの」という意味のイディオム。golden oldieとも言う。クルーグマンは(furnace)をつけて、blast furnace(溶鉱炉)と「鉄鋼」にかけている。
tariff: 関税 in the face of~: ~に直面して
<訳>
昔を思い出す出来事だ:2002年にジョージ・W・ブッシュ大統領が輸入鉄鋼にかけた関税である。ブッシュはEUの報復に直面して最終的に中止した。
●解説
2018年3月1日にトランプ米大統領が宣言した、鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課す計画について、アメリカ経済に悪影響が及ぶとしてクルーグマンは否定的だ。18年3月5日、ライアン下院議長も反対を表明したが、トランプ大統領は同計画を撤回しないと明言した。ホワイトハウスでライアン議長の反対姿勢について問われた大統領は記者団に、「我々が引き下がることはない」と語った。