否定から入るか、肯定から入るか

では、褒めるのが苦手な人が、うまく褒めるようになるにはどうすればいいのか。まずは、「ありがとう」「よくやった」という感謝の気持ちを端的に伝えることです。さらに、褒めるポイントをメモにしてから話すのもおすすめです。相手のいいところを5つ、難しければ3つ見つけてメモしてから伝える。例えば面談の席などで、メモを見ながら話をすると、相手に自分がいかに本気なのかも伝わるという効果もあります。

それでも、相手の問題点を指摘したい、「ちょっと褒めすぎた」と思ったときは、先に肯定的な価値を認める言葉から話し始めることです。「よくできている。けど、こうすればよりよくなる」「君だったら、もっとできる!」。否定から入るか肯定から入るかで、相手の受け入れ方も180度違うものです。

とにかく、褒め上手になるには、褒め続けることです。これまで褒めることをしなかった厳しい人間がいきなり褒めだすと職場は疑心暗鬼になるでしょうが、それも2~3週間程度で落ち着きます。安心できる職場の環境をつくることが何より大事なのです。

根本裕幸
心理カウンセラー
『つい「他人軸」になるあなたが7日間で自分らしい生き方を見つける方法』など著書多数。
(構成=伊藤達也 写真=iStock.com)
関連記事
人が100億より980円が気にかかるワケ
若手が辞めない会社に変える、3つのコツ
人が100億より980円が気にかかるワケ
ベテラン社員の陰口にまみれた組織の末路
"とりあえずビール"はお金に逃げられる人