「想像できる尺度」を超えると考える力が働かない

シンプルに答えるならば、自分の「想像できる尺度」を超えてしまうと、考える力がうまく働かない。反対に、身近であればあるほど、想像力は働きやすく、スケールを把握しやすいから。私はこのような心の働きについての理論を「心的ものさし理論」と名付けて、研究しています。

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物理的に何かの大きさを「はかる」ときには、ものさしを使います。それは頭の中でも同じ。おカネなど、何かの大きさを考えるときには、心の中にある「ものさし」を使っています。人は自分の中に基準となる尺度を持っているもので、物事をそれに従って判断するのです。

ものさしですから、はかれる尺度は決まっていて、大きさには限界があります。多くの人が同じ尺度を持っていることも重要でしょう。どこからが大金で、どれくらいなら安いのか。どれくらいの不正なら許せず、どれくらいなら見逃せるか。それは「常識」と言われるものかもしれません。ただし、人はそれぞれ違った人生を歩んでいますから、個々人のものさしには「差」が生まれます。