無料の学習支援を探してみよう

現役で東大に合格した谷川勝彦さん(41歳)は鹿児島市で不登校児や貧困家庭の子どもに無料で学習支援などをしているNPO法人「ルネスかごしま」の代表。こうした活動を始めて、かれこれ5年が過ぎたというが、「現場の皮膚感覚ですが、離婚率の上昇による母子家庭の増加などもあり、子どもの勉強にお金をかけられない家庭は年々増えていると感じています」と話す。

それでは、経済的に余裕がない家庭が子どもに学習支援を受けさせたい場合、どうしたらいいのか。

「まず、われわれのように無料で学習支援をしている団体を探してください。大都市圏には大体あると思います。しかし、自治体によってはそういった団体のことを公表していません。貧困家庭向けの学習支援団体と大きく宣伝することによって、そこに通っている子どもが『いじめ』などの不利益を被る可能性があるためです。なので、公表をしていない自治体に住んでいる場合は、役所に直接問い合わせてみるのがいいと思います。教育委員会でも相談には乗ってくれると思いますよ」

また、地域の社会福祉協議会に相談するのも手だという。

「協議会のボランティアセンターに勉強を教えてくれる人がいないか探してみるのです。定年退職した先生が登録していることもあります。ほかにも、英会話教室を開いている教会もあります。大切なのは、アンテナをはって常に情報入手を心がけることです」

そのほか、安価な教材を利用することも勧めている。

「最近ではインターネットで塾の授業を受講できるサービスがあります。例えばリクルート系が展開している『スタディサプリ』です。そういったサービスは塾に通うよりも安価です。私の団体でも教材として利用しており、私がその授業の補足説明をしています」

自分の給料が低く、生活が苦しい。でも子どもに罪はない。子どもには自由な職業選択をしてもらいたいからこそ、ここは知恵を絞って子どもに学習支援をしてあげたいものだ。

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(写真=amanaimages、時事通信フォト)
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