いくら払えば、東京大学に合格できるのだろうか。現役東大生ライターの布施川天馬さんは「9年間で1380万円を払えば、50%の確率で東京大学に合格できる」という――。

※本稿は、布施川天馬『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

東大の赤門のイメージ
写真=iStock.com/ranmaru_
※写真はイメージです

親の課金だけで子どもを東大に入れる

本書(『東大合格はいくらで買えるか?』)のアンケートで過半数以上を占める「有名私立中高一貫校から現役で東京大学に合格した」という典型的な東大生が歩んできた受験人生のモデルケースを考えてみましょう。

東京に住んでいる子どもが、教育投資を惜しまない親たちから一心に「課金」を受けた場合、どのように東大戦争へ参加していくのか、という想定です。ここでは、親の課金だけで子どもを東大に入れるために必要な教育手順をさらっていきます。

今回は小学校で「いきなり塾の進学クラスに入る」と想定していますが、さらなる安全をとりたい場合は、もっと小さなころから勉強させなくてはいけません。幼稚園段階での知能訓練や、小学1年生からの塾通いなども含めて、600〜700万円程度が加算されると考えてください。

授業料だけで約178万円

小学校では、少なくとも4年生から塾に通っていることでしょう。もちろん、前項で説明したように4年生で確実に進学クラスに入るため、低学年から塾に通うケースも考えられます。ですが、それを考えてしまうと、「いつから通っていたのか」や、小学校受験(いわゆる「お受験」)の可能性まで考えなくてはいけなくなるので、ここでは小学校4年生からSAPIXに通ったと仮定します。

SAPIXの公式ホームページによれば、小学校4年生、5年生、6年生でそれぞれ授業料が異なるようです。4年生では月額4万2900円、5年生では5万3900円、6年生では6万1600円がかかります。社会を選択しない場合、算数の追加講義を選択する場合などで料金が多少上下するようですが、いったんこの金額で考えていきます。

授業料だけを単純に足していくと、42900×12+53900×12+61600×10=1777600円かかります。

小学6年生を10カ月としたのは、中学受験はほぼ2月で終わるため、1月までの通塾を想定しているためです。これに春期講習と夏期講習の費用や教科書代、公開模試の参加費用、入塾費用などが加算されます。季節講習の費用は、残念ながら公式ホームページに記載がありませんでした。