高1で42万円、高2で100万円

ついに大学受験の最前線である高校にたどり着きました。ここまでくれば、あともう一息で受験のゴールが待っています。

中学校から通っている鉄緑会の指導も、より一層熱を増してくるでしょう。一流高校に入っているあなたのクラスメートは、そう見えないかもしれませんが、それでも「大学? まぁ東大かな」と答える程度には受験を意識しています。

高校に入ってからはお互いに切磋琢磨せっさたくましあって成績を伸ばしていくことを意識するのがいいかもしれません。

塾の費用を見てみましょう。鉄緑会の費用も、第1章で見てきた河合塾と同じく、学年によって変動します。

まず高校1年の場合。この時は、英語と数学の2科目を受講可能です。両方とも受講した場合の金額は、およそ月額35000円程度とのこと。年間で考えると42万円です。

高校2年生からは全11科目がA群とB群の2種類に分割され、それぞれから何科目を受講するかによって料金が異なってきます。ここでは、英語・数学・現代文・古典・日本史・世界史(東大文系の二次試験での入試科目)をすべて受講した場合を考えてみましょう。

この場合、A群から2科目、B群から4科目なので、月額84000円ほどになるそうです。年間では84000円×12カ月=1008000円。

最低でも580万円がかかる

高校3年生でも、全10科目がA群とB群にわけられ、どの授業をどれだけ選択したかによって値段が変動する仕組みのようです。

仮に高2と同じく英語・数学・現代文・古典・日本史・世界史を受講した場合、A群から4科目、B群から2科目で月額約100000円。受験までの9カ月間で90万円がかかる計算になります。

もちろん、毎年夏期講習や春期講習が入ってくるので、ここでも毎年10万円を季節ごとの特別講習に出すと仮定します。

鉄緑会に通う費用だけで、42万+100万+90万+10万(特別講習費用)×3年=262万円がかかる計算になります。模試代や教材費などは一切考えていませんから、これに追加で出費があります。高校が私立であることも忘れてはいけません。やはり3年間で300万円がかかります。すると、合計金額は562万円にまで達します。

お金について悩む人のイメージ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

ここで終わりではありません。大学受験の際にも、受験料がかかります。東大以外にも、早稲田、慶應あたりから2つずつ、合計5つの学校に出願したとすると、出願費用だけで35000×4+30000=170000円もかかってしまいます。合計で580万円ほどにまでなってしまいました。

私は鉄緑会の実態を知りませんが、鉄緑会に通っていた知り合いによれば、多くの人は「英語、数学、数学3、物理、化学」のように、英語と数学、理科科目をとるようです。

また、鉄緑会には文系生徒が少なく、理系生徒の割合が多いため、特に国語を取る生徒は少ないとのこと。そのためここで言っている金額は、想定されるマックスであると考えてください。

一から十まで塾に任せて東大を受験したいなら、580万円という金額になるというシミュレーションです。